Nishida Koji ブログアーカイブ

No.81 「酒学 ~その4~」

hitorigoto

「ご苦労さん。ま~一杯どうだい?」

「いえ、まだ入っています。」「自分で注ぎますから。」
目上の方や年上の方にお酒を勧められたときでも、学生たちからはこんな言葉が返ってくるようになった。また、片手で杯を受ける学生が殆どだ。

今の学生たちのお酒のスタイルは、私の学生時代と大きく様変わりした。目上の人や先輩に対する礼節は失われ、席を共にする人への配慮もなくなった。自分さえ楽しければ良いという飲み方に変わった。

そこで、今回の酒学はマナー編といきましょう。
細かなことを挙げればきりがありませんので、二つだけ取り上げます。しっかりと身に付けてもらいたいものです。

一、お酒を受けるときは、両手で受けること
一、お酒を勧められたら、きちんと「お気持ち」を頂戴すること

日本人は、お酒に「気持ち」を込める慣習を持つ。

「まあ一杯どうだい」とお酒を勧めるときに、「ご苦労様」「おめでとう」「大変だったな」「頑張ろう」などなど、そのときの場に応じた気持ちをお酒の中に込める。それに対して、「そちらこそお疲れ様です」「有難うございます」「ご心配お掛けしました」「これから益々頑張ります」などの気持ちを込め、返杯となるのである。

お酒の席が日本人にとって大切なのは、この「気持ちの交換」を行うからである。

これが理解できれば、片手で受けることや、むげに断ることが、どのような意味を成すのかは、自ずと分かるであろう。

「だって飲みたくないし、お酒強くないもの」
という声が聞こえてきそうだ。
再度、申し上げます。お酒を頂戴しなさいとは言っていません。「気持ち」を頂戴しなさいと言っているのです。

「そんな気持ちを頂戴するなんてわかりません。どうするか教えてくれないと・・・。」
まさに答えを早く求めたがる今の学生たちの声が聞こえてきそうである。

そんなことは自分で考え、自分の努力によって会得なさい。
答えは簡単。目上の方や年上の人と酒をご一緒する機会を1回でも多く設けることです。
何ごとも経験に勝るものはありません。

2006年5月
#081 酒学 ~その4~