Nishida Koji ブログアーカイブ

No.31 「焦り」

hitorigoto

「そろそろ無理がきかない年になってきたよ」
「疲れが抜けないんだよな」
三十路を過ぎた頃、同級生達からこんな声が出始めた。
「なに言ってんだよ。おまえら気合が足りないんだよ」
私は、いつもそう言って彼等に反発してきた。

日頃、学生や後輩とよく「差し」で飲みに行く。話が複雑であったり、議論が白熱してくると、気がつけば朝ということも少なくない。
「差し」にこだわるのは、とことんその相手と向かい合うことができるからである。
私は、この「向かい合う」時間(とき)を、とても大切にしている。この時間(とき)の積み重ねによって、揺るぎない信頼関係を結んできたという自負があるからだ。

相談事や仕事が重なることは、よくあることだ。
学生との付き合いを最優先としている私は、どうしても避けられない仕事や急用を除いて、誘いを断ることは絶対にしない。またその誘いのタイミングを大切にする。
何事にも「旬」があるように、人の悩みにも「旬」があるからだ。
仕事なんぞは、睡眠さえ削れば何とでもなる。いや、何とかしなければ社会人は務まらない。

身体を丈夫に産んでもらった私は、これまで3日間ぐらいであれば、早朝まで飲んで語り合っても、次の日、朝からバリバリと仕事ができた。大好きな若者たちと関わっていれば、疲れなどすぐに吹っ飛んだ。

しかしだ。悲しいことに、最近徹夜明けの踏ん張りがきかなくなってきた。徹夜2日目で、アルコールの体内処理が終わっていないときなどは、もう最悪。
「こりゃつらいわ!」と心の中で弱音を吐いてしまっている。

「俺も無理がきかない年になったのか~!」

正直焦りを感じ始めた。

「目の前の学生と、とことん付き合う」
自分にはこれしかないと悟って、教育の世界に足を踏み入れたのだ。これからとことん付き合いたい若者達が、目の前にゴロゴロしている。
我教育のカタチである自主ゼミナールも、まだまだこれからだ。

付き合い方の転換期にきているのかもしれない。

一方で私の心は叫んでいる。

「まだまだだよ。ぶっ倒れるまでやってみろ!」

負けず嫌いの私。
しばらくはこの声に従うことだろう。

2002年3月
#031 焦り