Nishida Koji ブログアーカイブ

No.9 「緑と触れ合おう」

hitorigoto

疲れたとき、落ち込んだとき、いらいらするとき、むかつくとき、きれそうなとき・・・。あなたならどうする?

是非お薦めしたいことがある。
ちょっと足を止めて木々の緑を眺めることである。
この季節、新緑がとても美しい。雑踏とした都会の中でも、少し探せば木陰は見つかる。我が千葉大学のキャンパスに至っては、誠に贅沢な環境にある。

私はこの時期、授業の一環として、受講生を教室から出してキャンパスにある大木の木陰に連れていく。そして、大の字になって寝かせ、ぼーっとさせることがある。
風を感じ、土の匂いを嗅ぎ、目の前の新緑をゆっくりと眺めるように指示する。最初は皆「何をやらかすんだ?」 というきょとんとした表情をしているが、 黙ったままその状況を続けさせると、自然と幸せそうな表情に変わってくる。

自然を身近に感じることが人間にとっていかに大切か。逆に言えば、自然がいかに人間にとって必要な環境を提供してくれているか。
「木陰にねっ転がる」という小さな行為からでも、充分に感じ取ることはできる。

日本の現代社会において、ストレスは当然のこととして捉えられ、そのストレスとうまく付き合うことの大切さを説かれることがしばしばだ。
甘い甘いと言われる日本の学生達も、それなりに忙しい。マスコミでは、かつての「5月病」とは違った形の大学生の登学拒否が取りざたされている昨今である。皆なんらかのストレスを抱えている。

私は30歳を迎える年に、英国に留学していた。こんな楽天家で能天気な私が、悩み、落ち込み、どうしようもない精神状態に陥った時期がある。何をしても暗黒な状態から抜け出せない。この時ばかりは、最愛の恋人(現在の妻)の励ましでさえ、完全復活する材料とは成りえなかった。

そんなある日、何気なく公園を歩いていると、花壇に植えられていたチューリップに目が留まった。強力な引力に引き込まれるように、そのチューリップへと足が向かった。

「何と美しいのだろう」「なんと自信を持って咲いているのだろう」
そんなことを思いながら、時間にして30分程度じっとそのチューリップを眺めていたようだ。
(周りの人からはきっと奇妙に映っていたことだろう。(笑))
そうしているうちに、なんとなく身体の中に元気の泉が湧きそうな気配を感じた。
次に公園の芝生に大の字にねっ転がった。目の前には真っ青な空。
「でけえなあ~。」「この先には宇宙が広がってんだよな~」
なんぞ思っていると、元気の泉からちょろちょろと水が出てくるのが感じ取れた。
なんだかワクワクし始めて、次は大木の木陰で大の字になって木を見上げた。美しい新緑1枚1枚から沸々とエネルギーが発せられているのを感じた。元気の泉は勢いよく水しぶきを吹き上げた。
あの時ほど、自然を身近に感じ、自然の有難さを痛感したことはない。

それからの私は、どんなときでも自然を身近に感じる。

毎日通う千葉大キャンパスの自然は、毎日違う顔で迎えてくれ、元気の泉に新鮮な水を与えてくれる。

「元気の泉」それはほんとにあなたの近くに湧いていますよ。

2000年5月
#009 緑と触れ合おう